【虎の巻】がん治療に役立つ情報収集 - がんの“闘病ブログ”と向き合う方法
僕がインターネットを本格的に使いこなすようになったのは、胃がんを罹患したことがきっかけでした。
医師からは、すでに標準治療では治せないほどにがんが進行していると告げられ、とてもショックを受けたものです。幸いにも、臨床試験に参加することで何とか治療は開始されましたが、「自分はもう助からないのだろうか?」という先の見えない不安はいつも僕につきまといました。
そんな、がん治療への不安を解消するために、インターネットを使って「がんの情報収集」を始めたのです。まずは、SNSの活用を思いつき、病気専用のアカウントを作ってTwitterを始めました。さらに、投稿サイトをひたすら読んで自分に有益な情報がないか探してみたり…。
さまざまなことを試してきたなかで、僕にとって一番の心の支えとなった有益な情報は「がんの闘病ブログ」の存在でした。がん患者さんが日記形式でつづった日々の闘病記録は、がん情報が宝庫のように詰まっていて、まさに虎の巻だと思いました。今は僕自身がこうやってがんのブログを書いているのですから不思議なものです。
そこで今回は、がん治療に役立つ情報収集の虎の巻として最後に、がんの闘病ブログと向き合う方法をご紹介します。
がん患者さんの「闘病ブログ」を読む
胃がんを患った僕にとっては、がん患者さんの闘病ブログを読むことが最も役に立ちました。しかしそれと同時に、読むことが最も辛かったことも事実です。
なぜなら、闘病ブログという性質上、ブログを運営するがん患者さんはすでに他界しているケースも非常に多く、ブログを読んでいて胸が痛みました。
ブログ冒頭に出てくる最新記事は【ありがとうございました】と題されたものが多くて、最初にそれを読んだときは衝撃を覚えました。ご家族が訃報をお知らせ下さっているんですね。
最終的に、ブログの管理人さんはみんな亡くなっていて、ランキングの上位にあがっているブログほど、その傾向が強いようです。
また、手術の経過などを詳細につづっているブログも多く、そういう記事を積極的に読んでは入院中の生活に当てはめて、シミュレーションしていました。
また、がんの闘病ブログは途中で更新が止まっていることも非常に多く、その理由は2つあります。
ひとつ目は、先に書いたように、ブログ管理人であるがん患者さんが亡くなっているため。がんの進行とともに途中で力尽きてしまい、更新が止まってしまうのです。
そしてもうひとつは、がんの手術後5年が経過して、患者さん自身がすっかり元気になったケース。もうがんだったことなんて忘れているためです。後者の理由でブログの更新が途絶えているなら嬉しいことですが…。
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ただし、僕が読み始めた頃と比べると、現在は参考に出来る闘病ブログも少なくなりました。低所得層のサラリーマンやニートなどが一斉に「詐病ブログ」を始めたからです。理由として考えられているのは、「儲かるネットビジネス」などという謳い文句に騙されて高額な情報商材を購入した商品の中に「闘病ブログの始め方」というマニュアルが含まれているのだとか。情報商材は儲け話しにつられた人に売りつけるためだけに作られたデタラメの内容です。当然ながら詐病ブログを始めても儲かるはずがありません。ですから、闘病ブログをご覧になる場合は下記の記事を参考にしてくれぐれも騙されないようにご注意下さい。
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「医療系サイト」もさまざま。中でもおすすめは⁈
がんの闘病ブログにつづられた生の現場の様子を読みながら、治療に関する情報収集で僕がよく参考にしたのが、いわゆる医療系サイトで書かれた記事でした。ここからは、多数存在する医療系サイトについて、僕なりの感想を書き記しておこうと思います。
「医師Q&Aサイト」を使うのはおすすめ出来ない
病院に行く前にあらかじめ医師に聞きたいことがある人や、病院では聞きにくい悩みがある人が質問を投稿し、登録されている医師(匿名)が回答するといういわゆる「医師Q&Aサイト」があります。
今では弁護士の法律相談などでもよく見かける形式のサイトですよね。しかしこれは、僕には最も合わないと感じたサービスのひとつでした。
僕は何度か胃がんのことで質問したことがありました。ところが、匿名のためか、医師の回答は非常にそっけないもので、「研修医か?」と思ってしまったほど。とても参考に出来る内容じゃなかったです。
病院や研究機関のホームページを見る
これは最も信用できる情報ですね。気になる時は今でも何度も見ています。なかでも「国立がん研究センター がん情報サービス」が一番信頼できるデータなのではないかと思います。
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まとめ
僕はその他にも、医療記事や医師のインタビューがたくさん載っているバイラルメディア系のサイトを読んだりしたほか、がんの専門サイトに会員登録して、会員限定の記事もよく読んでいました。
そこでは、医療ロボットを使った手術についてや、分子標的薬について、血液1滴でがんを診断する検査キットについてなど、がん治療の最前線の記事が多くて、読んでいて希望を持ちやすい一面はありました。しかし、1人のがん患者の立場としてはまったく役に立たなかったですね。
このように、がんを患って不安な時はやみくもに情報収集をしたくなるものです。僕が今まで経験してきて言えることは、どの情報収集方法にも一長一短があるということ。これまでご紹介したことを参考に、自分に合った方法を見つけて頂けると幸いです。
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