【血糖値スパイク】(胃がん術後)ダンピング症候群と糖尿病の違い

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血糖値測定



「血糖値スパイク」は糖尿病患者のみならず、胃癌の手術で胃を切除した際の胃切除後症候群『ダンピング症候群』によっても似たような症状が起こります。しかし、糖尿病とダンピング症候群とでは血糖値スパイクには違いがみられます。今回はその違いについて書いてみたいと思います。

「血糖値スパイク」糖尿病の場合と胃癌の胃切除後症候群『ダンピング症候群』における症状の違いについて

胃癌の治療では、最終的に根治手術をします。胃癌は、進行度や癌の出来た場所も人により様々に異なります。しかし、手術によって胃の全摘または一部切除が行われる点では共通しています。

「胃」という臓器は、人間が生きていくなかでとても重要な役割を担ってます。よく、「衣食住」とか言いますが、この『食』という部分を充足するためには胃が必要不可欠な存在として誰もが当たり前に日常生活を送っているのです。

しかし、胃癌の手術で胃を切除すると、大切な胃の機能が損なわれたり喪失してしまう訳ですから、術後は大なり小なりの「後遺症」が残ってしまいます。本などでは「胃切除後症候群」と書かれたりしています。

胃癌は著しくQOLの低下を伴う病

癌の後遺症は、患った臓器に関連して起こるものです。不幸にも、我々が罹患した胃癌の場合は著しくQOL(生活の質)低下を伴う病として知られています。なぜなら、胃の切除によって食生活に重大な制約を受けるからです。

胃癌で胃の機能が損なわれた事で起こる直接的な後遺症は「消化不良」です。胃を全摘した場合は胃酸で食べものを消化できない訳ですから食事には十分な注意が必要になってきます。

後遺症が胃の物理的な欠損というだけなら、工夫次第で何とか改善することが可能かも知れません。しかし、それだけではなかなかうまくいかないのが胃癌の後遺症が著しくQOL(生活の質)低下を伴う病とされる所以です。

胃癌の後遺症の典型例「ダンピング症候群」とは

胃癌の後遺症は、胃を切除したことで様々な機能に波及します。その典型例が「ダンピング症候群」です。

ダンピング症状についてはこのブログで何度も記事に書いてきました。最近でも「胃切除後の血糖値スパイク『ダンピング症候群』とは?研究論文から」という記事で書きましたので、定義などについてはそちらをご参考になさって下さい。

簡単に言うと、ダンピング症候群とは、食後に起こる「血糖値スパイク」のことです。「胃」という、食べ物の貯蔵機能が損なわれることで「血糖値」にまで悪影響をもたらしてしまうのです。

血糖値が乱高下する「血糖値スパイク」の危険性

なお、「血糖値スパイク」という用語については「糖尿病」の関係で使われることが多いのですが、血糖値が乱高下する過程については糖尿病のそれと良く似ているため私は血糖値スパイクという表現をダンピング症状にも使っています。

ダンピング症候群は糖尿病と症状がよく似ている訳ですから、放置して良い訳がありません。血糖値スパイクを繰り返していれば糖尿病を発症したり最悪の場合は死に至る危険性もあるのです。

しかし、症状の過程は似ていても、ダンピング症候群は糖尿病ではありません。糖尿病は非常に恐い病ですが、ダンピング症候群もそれと同等かあるいは場合によっては糖尿病のそれよりも危険な症状なのです。



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「血糖値スパイクの症状」ダンピング症候群と糖尿病の違い

同じ血糖値スパイクでも、ダンピング症状と糖尿病とでは違いがあります。

まず、血糖値スパイクで高血糖が起こるとき。基本的に血糖値が高い状態が続いてしまう病である糖尿病。それに対しダンピング症候群の場合、普段は正常な血糖値なのに食事をすれば急激な血糖値スパイクが生じ、高血糖に陥ります。状況によっては、ダンピング症状が起きた時のほうが血糖値が変動する幅が大きい場合もあるのです。

次に、連続して低血糖が起こる過程について。糖尿病が進行するとインスリン分泌の働きが低下して高血糖状態が続いてしまうためインスリン注射をして血糖値を下げ、血糖値を安定させる処置をおこないます。

ダンピング症候群の場合は、胃を全摘すると食べものが腸にそのまま送り込まれるため大量にインスリンが分泌され急激な低血糖が起こります。

ダンピング症候群による血糖値スパイクは血糖値を正常に保つための特効薬が存在しないため、糖尿病と同じような症状が起こっても対処がしづらく、非常に難しい後遺症なのです。

かといって、ダンピング症状を長く繰り返せば血管を傷付けたり体に負担を与え続けることになるため、本物の糖尿病を発症してしまうリスクが高まります。

ダンピング症候群はただ放置しているだけでは決して改善されず、毎回の食事を工夫するなどして改善に努める必要があります。

胃切除後はダンピング症状とは別の「低血糖」にも要注意

糖尿病患者の場合は、食後に有酸素運動をするなどして血糖値を下げる運動療法が指導されます。

しかし、ダンピング症候群を後遺症とする胃切患者の場合は、手術で体力が低下しているうえに血糖値の変動する幅も大きい。食後の運動が危険な状態(気絶など)を招く恐れもあるのです。

しかも、胃癌で胃を切除した場合は、食事によるダンピング症状の他にも胃の機能が損なわれたことにより断続的に起こる低血糖状態にも注意しなければなりません。

また、日常生活で突然、意識を失いひっくり返るという話しをよく聞きますが、これは胃という貯蔵機能が損なわれたことで栄養を蓄えておけず、血中の糖が欠乏してしまうために起こり得るものです。

まとめ

糖尿病で起こる血糖値スパイクも大変危険な症状ではありますが、胃癌の胃切除後症候群によるダンピング症状もそれに劣らないほどに扱いが難しく、大変な後遺症です。もし悪化すれば、本物の糖尿病に移行してしまうリスクもあるのです。

健康な頃は血糖値なんて1秒すら考えたことなく日常生活を過ごしていました。気にした事といえば、風邪やインフルエンザくらいなもの。今では毎日「血糖値」に悩みながら生活を送っています。不思議なものですね。

人間は、頭ではいろいろと理解したり物事を知っているつもりでも、実際に経験してみないことには丸っきり何も対処できない動物なんだと思わされます。

がん患者のまわりの家族が同じように悩みを抱え、「第二の患者」などと表現されたりもします。胃癌の術後に抱えるダンピング症候群という後遺症は、まわりの健常者の家族が一番理解し辛い悩ましい症状と言えるのかも知れません。

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