【胃がん 根治手術】一瞬で終わった胃の全摘出と我が人生38年間

M

2018-12-15
ステージ3B 多発性高度リンパ節転移胃癌
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胃がん 根治手術の日


2012年4月5日は、胃がんになった私の「根治手術」がおこなわれた日です。


前日の4日、東京・築地の「がんセンター」に入院。翌朝8時過ぎ、車椅子に腰掛けた私は、看護師さんに押されながら手術室へ向かいました。


▼ 前回の記事

胃がんの全摘手術直前、母親の言葉に心が乱れる

こんにちは。胃がんブログの管理人Mです。今回からはいよいよ、胃がん根治手術の当日に話しを進めます。私にとっては人生最大の出来事である「胃の全摘」というショッキングな事柄なれど、それはまさに一瞬の間で通り過ぎて行ったのでした。約半年間の胃がん治療を経て、いよいよ運命の手術当日を迎えた前回書いた記事の続きです。しばらく更新が停滞してました。すみません。胃がん手術前夜、胃全摘の代替療法や切らずに治す方法...





胃の全摘に「悲しみの気持ち」で手術室へ


車椅子


前回の記事で書いた通り、病室を出る直前の身内による思わぬ一言で心が乱れ、苛立ち混じりの複雑な心境でした。


しかし、手術室が近づくにつれ、何だか「悲しみの気持ち」へと移り変わっていったように記憶しています。


やっぱり、これから自分の体がいじられるということはとても悲しいものなんですよね…。


これがその時に感じた率直な心境です。

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やっぱり「手術室」は異様な雰囲気だった


手術室に到着し、車椅子を降りる。送り届けてくれた看護師さんとここで別れを告げ、自分の足で手術台の方へ向かった。


手術着


辺りを見渡すと、人の数がとても多いように感じた。おそらく十数名ほどいただろうか。全員、手術着を着用していたが、一つの手術にこれだけの人が関わるのか!と思った。


何となく、ざわざわっとした感じで落ち着かない。手術は一度「審査腹腔鏡手術」というものを経験済みだが、手術室の中はやっぱり今回も異様な雰囲気に包まれていた。


≫『審査腹腔鏡手術』に関する記事を読む


人生で一番辛かった手術前の「硬膜外麻酔」


手術台


手術室はやけにヒンヤリとしていた。上着を脱ぎ、手術台の上に腰掛ける。すると、横向きに寝て、丸くなるように言われた。


しばらくして、「これから脊椎に穴を開けますからね。痛いですけど我慢して下さいよ~。」と言われた。「硬膜外麻酔」だ。


硬膜外麻酔


突然、背中のピンポイントに「ズシッ」とくる重く強烈な痛みが襲ってきた!!


あまりの痛みで、声にもならない感じのうめき声を上げてしまった。人生でこれまでこれほど痛い思いをした経験がなかった。


全身麻酔や実際の手術に関しては、ある程度の不安や恐怖感を持ってはいた。


しかし、全身麻酔は「審査腹腔鏡手術」で経験済みだったので、一度麻酔で眠ってしまえばどれほどの大手術だろうと何も分からずに終わっているに違いないと思っていた。


そんな、いわば気楽な気持ちでいたところに突然襲ってきた「硬膜外麻酔」による予想外の痛み。今思い出してみても、これだけはもう二度とやりたくないと思う。


ここで詳しく書くのはやめますが、「硬膜外麻酔」のことはこれまでにも何度か記事にしているので、興味がおありの方は『硬膜外麻酔の記事』をご覧下さい。


【全身麻酔】我が人生、一瞬で幕を閉じる


苦しみに喘いだ「硬膜外麻酔」だったけど、最後にグリグリっと何かを押し込んだところで何とか終わったようだ。


ホッとしたところで息つく暇もなく、「今度は仰向けになって下さい」と言われた。


背中に管みたいなものが刺さっている感じがするので、下敷きにして大丈夫なのか?と思った。「大丈夫なんですか?」と聞いたが、誰も答えなかった。


何かを下敷きにしながら、恐る恐る仰向けになる。すると、映画で良く見かける、戦闘機に乗る際にパイロットが着用している酸素マスクのようなもので口と鼻を覆い被せられた。


全身麻酔


「いよいよだ!」と思った。間もなく手術が始まる。心臓がバクバクと高鳴るなか、「もう後はなるようにしかならない。覚悟を決めるしかないんだ!」と自分に言い聞かせていた。


そして、心の準備が整わないまま、数分もしないうちに酸素マスクからシューッと弱い風みたいなものが送り込まれてくる。


「何だか弱い風だなぁ。」と思った瞬間、次に見た景色はICU(集中治療室)の天井だった。手術は私にとっては一瞬で終わっていたのだ!!40℃の高熱があるらしく、辺りがグルグルと回っているように見えた。


ICU


「手術は大成功だったよ!がん細胞が膵臓や大動脈からわずかに離れていてくれたのは本当に奇跡的だった!」と、主治医が言いに来ました。10時間ほどかかったそうです。何でも、一番大変だったのは、術前抗がん剤によってコンクリートのように固まったがん細胞。


凝り固まったがん細胞が何層にも連なっていて、それを一枚一枚、丁寧に剥がしていくのにとても苦労したといいます。


胃と脾臓を全摘出し、食道を数センチ切除しました。リンパ節など転移のある箇所は大きな範囲で郭清し、お腹まわりの筋肉など転移の危険が及ぶところは全て切除されました。


お見舞い


胃がんの術後、さまざまな人がお見舞いやプレゼントを届けに来てくれました。


お見舞い


ともあれ、「これから手術を始めますよ」とか何の号令もなく、心の準備も出来ぬままにこうやって我が人生は一瞬にして幕を閉じたのです。


お見舞い


まとめ


人により賛否両論あるかと思いますが、私の場合に限って言わせてもらうと、この胃がんの根治手術で38年間の我が人生は終わりました。


こんな事になるのなら、なぜ毎年1回でも定期検査を行なわなかったのだろう...。今となってはどうしようもない話しですが(汗)少なくとも、もう少し自分の体を定期的にチェックさえしておけば仮に胃がんになっても軽いステージで済んだはずなのです。胃がんは早期発見すれば術後も私のように苦しまずに済む可能性も高いんですよねぇ(汗)


奇跡的に胃がんの手術が出来たじゃないか、とかよく言われますが、本来の私が私としてあるべきだった、何の制約もない自由な生き方ができる人生は終了したのです。


胃がんの術後に再スタートした人生は、私にとってただのおまけにしか過ぎません。術後の人生について、どんなことでも自分に都合よく解釈してしまうようになりました。


究極的には、たとえ胃がん治療の後遺症で辛くても「生きてるだけでめっけもん」だなんて…。しかしこれは、制約だらけになってしまったみじめな残りの人生を何とか美化するために言っているだけに思えてきます。


私はこれまでに記事の中で度々書いてきましたが、普通の人よりも少しだけ密度の濃い人生を歩んできました。


だから、術後の人生がどんなにみじめなものとなっても、早死にしてしまっても何ら悔いはありません。


今ではどんなに後遺症で思い通りの生活が送れなくても気負いせず、悩まず、「柳に風」という気持ちで残りの余生を過ごしている次第です。


(初回投稿:2018年5月9日)



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