インスタなどSNSに「子供の頃の恥ずかしい写真」を投稿、法的問題は?

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インスタなどSNSに「子供の頃の恥ずかしい写真」を投稿、法的問題は?


インスタやフェイスブックなど、SNSでは自分の子どもの成長記録を写真付きで投稿するのが流行っています。しかし、コレって当の本人からすればどうなのでしょうか?


「赤ちゃんの頃の恥ずかしい写真をSNSから消してほしい」。将来、こんな思いをする子どもたちがたくさん出てくるかも知れません。


親が子どもの写真をSNSに投稿した場合の『法的問題』


この問題はすでに2016年、実際にオーストリアで起こっています。18歳になる女の子が両親を訴えたことが報じられ、話題にもなりました。


幼少期の恥ずかしい写真をSNSにアップされたとして娘が親を提訴! - AOL ニュースという記事にもなっています。

オーストリア在住の若い女性が、彼女が幼少の頃に撮影された何百枚という恥ずかしい写真をFacebookから削除を要求したものの、拒まれたとして両親を提訴し、法廷闘争を繰り広げている。

18歳の女性は、両親が500枚以上ものスナップ写真を彼女の同意なしにソーシャルメディアで友人たちにシェアしたことで、彼女の人生は生き地獄になったと怒り心頭だ。娘の再三の懇願にもかかわらず、彼女の両親は写真を削除することを拒否しているという。


一方で、彼女の父親は、写真を撮影したのは自分だから、写真の著作権と配布する権利は自分にあると主張しているといいます。


日本でも、FacebookやInstagramなどに自分の子どもの写真を投稿する人は少なくありません。もしも同様の争いが起きた場合には、どんな“法的問題”が考えられるのでしょうか?


SNSの写真投稿は親でも子どものプライバシー侵害にあたる可能性がある


結論から先に言うと、「親であっても、“プライバシー侵害”にあたる可能性がある」ということです。


もし、同様のケースが日本で起きた場合には、子どもの削除請求が認められる可能性は十分にあると考えられます。


なぜなら、「赤ちゃんのころの恥ずかしい写真」をSNSにアップすることは、子どもの“プライバシー権”を侵害する可能性があるからに他ありません。



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プライバシー権の侵害が認められる“3つの点”とは


それでは、そもそも、どのような場合にプライバシー権を侵害したといえるのでしょうか?


まず、“プライバシー権”については、作家の三島由紀夫氏のモデル小説「宴のあと」事件の判決が示した基準が広く運用されています。

この判決によるとまず、公開された内容については次の3つの点を充足する必要があると指摘しています。


①私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであること、

②一般人を基準として考えたときに、公開を欲しないであろうこと、

③一般の人々に未だ知られていないことがらであること


公開された内容がこの3つにあてはまる場合に、その公開によって不快や不安を感じた場合プライバシー権を侵害するとされたのです。


SNSのケースはプライバシー侵害の要件を満たしているのか?


では、SNSのようなケースはこの基準をみたす可能性はあるのでしょうか?


「赤ちゃんのころの恥ずかしい写真」からは、その人が当時どのような行動をしていたのかが分かります。


このことは、①私生活上の事実にあたる上、②「恥ずかしい」の内容しだいでは一般人なら公開をして欲しくない事実であると考えられます。


さらに③の、その人が赤ちゃんのころにどんな行動をしていたのかは、一般の人々には知られていないことです。


よって、SNSでの子どもの写真投稿は“プライバシー権の侵害”といえる可能性が高いのです。


『著作権』と『プライバシー権』との関係は?


なお、親が「写真をとった自分に“著作権”がある」と主張することは、どうなるのでしょうか?


これは、そもそもプライバシー権の侵害とは何ら関係がありません。


親が著作権を持っているということと、その写真の公開がプライバシー権を侵害するかどうかは、まったく別の話しだからです。


まとめ


日本の法律では当然ながら子どもが親に対して訴訟を提起してはいけないなどということもありません。


したがって、子どもが親に対して、SNSでの公開の禁止を求めたり、損害の賠償を求めて訴訟を提起することも可能なのです。


このことは何も親が子どもの写真を載せたケースに限った話しではなく、身内や他人に無断で写真を投稿した場合も同様です。


補足:プライバシー権は『ブログ』も同様/ボクの身内のケース


ボクの母親は脳梗塞で倒れ、半年間の入院生活を送りながらこの世を去りました。その間、身内が題名に実名入りで「看病ブログ」なるものを立ち上げ、母親に無断で闘病中の写真を載せまくりました。


写真投稿は母親が亡くなる日まで続けられました。ボクはこのブログのことは知らなかったのですが、とある日に知り合いから「こんなひどいブログがあるんだけど」と指摘されて初めて知りました。


私はすぐに身内に対して削除するように要求しましたが、当の本人はまったくコトの重大さ気付いていないらしく、なかなか削除されませんでした。


挙げ句の果てには、母親が息を引き取る瞬間の動画をスマホで撮影していたほどです。


そもそも、このような事をする人間は、自分が違法な可能性のあることをしているという認識が皆無のようです。


気軽な気持ちでSNSに投稿した写真が、数年後、あるいは数十年後に巨額な賠償請求をされる形で後悔することのないように責任をもってSNSなどを利用したいものです。


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