自分が自分でなくなる時 - 胃が無くなったことを初めて実感した瞬間

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こんにちは。胃がんブログ管理人のです。12月7日(金)は胃全摘手術後2438日目6年8ヶ月2日目。昨日はちょっとした事でバタバタしてしまって…。ふと思ったことがあったので忘れないうちに備忘録を。



肝臓に再発した胃がんの進行とは思いたくないのだけれど、背中や肋骨の痛みが気になって一睡も出来ずに迎えた朝のこと。ボクはキャッシュカードを探し始めた。



なぜか、昔から当たり前のように入っていたはずのカードが財布からなくなっている。どこかで落としてしまったのでは?と慌て出した。



財布の中から出した記憶はないのだけれど何故ないのだろうか?しかしキャッシュカードなんてポケットに入れるようなシロモノではないし置く場所もだいたい決まっているはずだ。



見当のつく場所を何度も探した。ところがカードは見つからなかった。



自分は注意深い性格なので物を無くした経験はほとんどない。しかし今回の事態はどうしたものか?時間が押して来てかなり焦りつつもジッと考え込んだ。



もしかすると寝不足体調不良が続くなか頭が朦朧として何かを忘れてやしないか?そう思ったとき何故だかテーブルに置いてあるレシピ本に違和感を感じた。



自分が自分でなくなる時 - 胃が無くなったことを初めて実感した瞬間





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物忘れはガン闘病生活による一種の副作用?



気になったレシピ本を開くと、キャッシュカードが入っていた。「どうゆうことだこれは!?」



キャッシュカードをまるで本のしおり代わりに使ったかのように見えるのだけれど、まさか財布からわざわざ取り出して使うはずがない。



結局、なぜこのようなことをしたのか理由が分からず流石にショックを受けた。



自分が自分でなくなっている…。



しかし、これほどではないにせよ同様のことはたびたび起こっている。最近は特に物覚えが悪くなった。この物忘れという現象はある意味ガン闘病という制限された生活を過ごしてきたことで生じた一種の副作用なのかも知れない。



胃がん術後のギャップに精神的ショック、ストレス、うつ病…



胃がんに限った話しではないけれど、手術後にうつ病を発症したという話しをよく耳にする。



自分が癌を経験してみて感じたのは、おそらく術前と術後とのギャップに精神的なショックやストレスが累積されていくためなんだろうということ。



胃がんに特有のものとしては食事面だ。たくさん食べてお腹が一杯になると昔は「満たされた」という気になり、幸福感さえ感じられたものだ。



しかし、胃を喪失した術後は突然ガラリと一変する。お腹が一杯という感覚は「お腹が張る」という表現に置き代わり、幸福感は消え失せた。



今では食後に苦痛が襲ってくる。胃の全摘した直後は突然の変わり様になかなか気持ちが追いつかなかった。



約40年間にわたって当たり前のようにしてきた食事が思うように出来なくなったが、それでも生き長らえる自分は何だか天に逆らっている気さえしたものだ。



胃が無くなったことを初めて実感した瞬間



また、胃全摘手術の翌日から開始された歩行訓練では世の中が今までとは違った景色のように感じられて、まるで自分が別人になったかの錯覚を覚えたものだ。



胃があった頃と同じつもりでいるとまともに歩くことが出来ない。手術で胃が無くなり、転移が危惧される腹筋も取り除かれた。そんな状況下でお腹にまったく力が入らず、最初はどうやって歩けば良いのかさっぱり分からなかったのだ。



人間という生き物は普段の生活を送るうえでこれほどにまでお腹の力に重点を置いて生きていたのか!と胃が無くなってから初めて気付かされた。これは胃がある人にとっては理解出来ない事かも知れない。



術後の歩行訓練がおそらくボクにとって初めて胃が無くなったことを実感した瞬間だったと思う。同時に、勝手がわからず今後の人生に一抹の不安を感じショックを受けた瞬間でもあった。



胃がん 根治手術 胃全摘後 世界が変わり、自分が別人になっていた

 目次 1. 胃がんの根治手術後、ICU(集中治療室)での状況2. ICU(集中治療室)で頻繁な下痢と寒気に苦しむ3. 胃がんの根治手術翌日、突然の「歩行訓練」に困惑4. 胃がん手術後、初めて上体を起こしたら呼吸困難5. 胃がんの手術を境に"別世界"を実感、自分が『別人』になっていた前回の続き。胃がんの根治手術後、全身麻酔から目が覚めた時の私は、ICU(集中治療室)にいた。目の前には兄が付き添っていたが、開口一番「手術は10時間か...



胃の全摘後は早めに割り切って考えるのが肝心



胃がんの根治手術は全身麻酔をするので、まばたきしている瞬間に終わっている。よって、胃を喪失して人生が様変わりするのも一瞬の出来事なため最初は自分ですら気付かないほどだ。



だからすぐには頭が追いつかず、気持ちを切り替えるのはなかなか難しい面もあるのだけれど、いつまでも自分が術前の時と同じ認識でいると胃を喪失したショックはより大きくなるのではないかと思う。



胃が無くなったことは仕方ないことだと早めに割り切って考えてしまうことが肝心。これが出来ずにいつまでも引きずってしまうとうつ病を併発しかねず、かなりつらい術後生活を送る羽目にもなりかねない。



とは言っても、胃全摘後6年8ヶ月目にして未だに冒頭で書いた通りの精神的ショックを受け、未だ割り切れていない自分がいる。



胃がんという病は本当に厄介だと思わされるとともに、健康というものは人間が生きる上でかけがえのない尊いものだったんだなぁ、と改めて痛感させられた。



本日も素敵な1日をお過ごし下さいませ。



▼胃がん関連の新書がけっこう出ています





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Comments 2

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M  

Re: 自分が自分でなくなる時 - 胃が無くなったことを初めて実感した瞬間

ありがとうございます!

今日は血便と目まいがひどくて寝込んでいますが、背中と肋骨が痛くて短時間で起き上がることの繰り返しです(汗)

まだ治療は始められてませんが、気持ちだけは前向きで諦めないようにします!

2018/12/07 (Fri) 17:57 | EDIT | REPLY |   

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2018/12/07 (Fri) 16:23 | EDIT | REPLY |   

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